自律神経の不調による頭痛やめまいはなぜ起こる?原因と対処法
2025年06月4日

自律神経の不調による頭痛やめまいは、現代社会で多くの人が抱える悩みのひとつです。その主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、不規則な睡眠、人間関係などによって自律神経のバランスが崩れることにあります。今回は、自律神経の不調による頭痛とめまいについて解説します。
頭痛やめまいが起きる原因

頭痛やめまいが起きる原因として、近年とくに注目されているのが「自律神経の乱れ」です。自律神経は、私たちの体内で心拍数や血圧、呼吸、消化などを自動的に調整している神経で、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで健康が保たれています。しかし、日々のストレスや不規則な生活、睡眠不足、ホルモンバランスの変化などが重なると、この自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経が乱れると、血管の収縮や拡張がうまくいかなくなり、脳や首周辺への血流が一時的に不安定になって頭痛が起きたり、全身の血流調整が上手く行えずにめまいが生じたりします。また、精神的なストレスや季節の変わり目、生活リズムの乱れも自律神経に大きく影響し、頭痛やめまいなどの症状を引き起こす要因となります。さらに、女性の場合は月経や更年期などホルモンバランスの変化も自律神経に影響し、頭痛やめまいが強くなることもあります。このように、頭痛やめまいは単なる体調不良ではなく、心身のバランスが崩れているサインとして現れることがあります。
交感神経の役割
自律神経は、交感神経と副交感神経で構成されます。交感神経は、私たちの体が「活動モード」や「興奮モード」に入るときに優位にはたらく神経です。たとえば、運動をしているときやストレスを感じたとき、危険を察知したときなどにスイッチが入り、心拍数を増やしたり、血圧を上げたり、呼吸を速くしたりして、体を素早く動かせるように準備します。また、瞳孔を広げたり、汗を分泌したり、消化や排尿を一時的に抑えるなど、緊急時に必要な反応を引き出します。交感神経が過剰に働きすぎる、あるいはバランスが崩れると、さまざまな不調が現れます。代表的なのは、血管が収縮して血流が悪くなり、頭痛や肩こり、手足の冷えやしびれです。また、動悸や息苦しさ、便秘や下痢、不眠、眼精疲労、めまい、倦怠感などもよく見られます。さらに、イライラや不安、気分の落ち込みといった精神的な症状も出やすくなります。
副交感神経の役割
副交感神経は、私たちの体と心が「お休みモード」や「リラックスモード」になっているときに優位にはたらく神経です。主な役割は、心拍数や血圧を下げて体を休ませたり、消化管の働きを活発にして消化や排せつをスムーズに行わせたり、筋肉をゆるめてエネルギーの回復を促したりすることです。たとえば、ゆったりとくつろいでいるとき、眠る前や眠っているとき、食後に体がリラックスしているときには副交感神経が優位になります。この状態では呼吸がゆっくりとなり、血圧が下がり、胃腸の動きが活発になり、体がしっかりと休息と回復に専念できるようになります。
自律神経の不調とは交感神経と副交感神経のバランスが崩れること
上述のように交感神経が「アクセル」なら、副交感神経は「ブレーキ」の役割を担い、両者がバランスよく切り替わることで私たちの心身の調子(リズム)や健康が保たれています。交感神経が働くことで活動し、副交感神経がしっかり働くことで、日中の活動で受けたダメージを回復し、翌日に備えることができます。これらの繊細なバランスが崩れていくことで上述のような心身の不調が出現することがあります。
頭痛やめまいが起きたときの対処法
頭痛やめまいなどの症状が出た際には、まず無理をせず静かな場所で休むことが大切です。頭痛の場合は、首や肩の筋肉を温めて血行を促進し、軽いストレッチで筋肉の緊張をほぐすと効果的です。めまいがある場合は、急に立ち上がらず、ゆっくりと安静にして体を落ち着かせましょう。また、深呼吸や瞑想などのリラックス法を取り入れることで、心身の緊張を和らげることができます。
頭痛やめまいを予防するためにできること

予防には、規則正しい生活習慣の確立が欠かせません。十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を心がけること、そして適度な運動を日常に取り入れることで自律神経の働きを整えやすくなります。特に夜更かしや食事の抜きすぎ、長時間同じ姿勢でいることは避け、こまめに体を動かして疲れをためないようにしましょう。さらに、ストレスを溜め込まないために、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけておくことも大切です。
毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、セロトニンという心の安定に関わるホルモンの分泌が促されます。夜は決まった時間に眠り、十分な睡眠をとることも自律神経の回復に欠かせません。
食生活も重要なポイントです。栄養バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンB群やビタミンC、カルシウム、マグネシウムなどを積極的に摂取しましょう。腸内環境を整えるために食物繊維や発酵食品を取り入れるのも効果的です。カフェインやアルコール、脂っこい食事は控えめにし、規則正しい食事時間を意識します。
また、適度な運動は自律神経のバランスを整えるうえで非常に効果的です。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられる運動を日常に取り入れることで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。運動はストレス解消にもつながり、心身のリフレッシュにも役立ちます。
特に、朝起きて日光を浴びながら散歩などの軽い運動を行うことで自律神経を整える効果があります。
またリラックスする時間を持つことも非常に重要です。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、アロマや好きな香りを生活に取り入れたりすることで、副交感神経が優位になり、心身が休まります。深呼吸や瞑想、軽いストレッチもリラックス効果が高くおすすめです。残業など、長時間の仕事をしているとどうしても交感神経優位な生活になるので、副交感神経を活性化させるためのリラックスの時間を取れるように生活リズムを整えていくと良いでしょう。
まとめ
自律神経の乱れは頭痛やめまいの原因となり、ストレス、不規則な生活、睡眠不足などが影響します。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると体調不良に繋がります。対処法としては、休息、ストレッチ、リラックス法が有効です。予防には、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、リラックスする時間を持つことが重要です。