首のこりの原因と痛みを悪化させないために
2025年03月14日

首こりは、多くの人が経験する身体の不調のひとつで、肩こりや頭痛、目の疲れなどの症状と関連しています。特に長時間のデスクワークやスマホの長時間の使用が原因で首の筋肉が緊張し、血流が滞り、首が痛くなることが多いです。この記事では、首こりの主な原因と、痛みやだるさを悪化させないために必要なことを紹介します。
首こりとは

人間の頭部は約4~6kgあると言われています。まっすぐに向いているだけでも首にストレスがかかりますが、頭部を下に傾ける(うつむく)とさらに負担が増えます。例えば、頭を15度前に傾けるだけでも大きく負担が増えます。うつむく角度によって首への負担の大きさが変わり、普段から首こりが気になる方は、うつむく姿勢が常習化していることがあります。
また、首は「回す」「上や下を向く」「傾ける」などの複雑な動きが可能です。首に関する代表的な筋肉は、胸鎖乳突筋、僧帽筋、頭半棘筋、頭・頸板状筋、肩甲挙筋があります。これらの筋肉は、頭から肩甲骨周囲まで伸びているため、首と肩の両方に関与します。そのため、首こりは肩こりとも密接に結びついています。
首に関する代表的な筋肉
僧帽筋

肩こりに大きく関わっている僧帽筋は、首から背中上部の表層面にかけて存在します。首や肩周辺の血液の循環が悪くなると肩こりを引き起こします。肩こりがひどくなると首も凝ってくるため、僧帽筋も首こりの原因となります。僧帽筋は、腕を身体の横に広げる(肩甲骨外転)、肩をすくめる(肩甲骨を上に動かす)、頭を後ろに倒す(頸部の伸展)などの動作に作用します。
胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋と頭板状筋・僧帽筋は、拮抗する(引っ張り合う)筋肉です。頭を回転させたり、頭を斜めに傾けたりする働きをします。また、首を屈曲させるのにも役立っています。胸鎖乳突筋が凝ると、肩こりや首こりなどの原因になります。
肩甲挙筋

肩甲挙筋は僧帽筋と共に肩こりに関係する筋肉の一つです。首から肩甲骨に付いている筋肉で、この筋肉は肩をすくめる(肩甲骨を上に動かす)、首を傾けるなどの動作に作用します。この筋肉が硬いと棘上筋(腕を外に上げる筋肉)がうまく働けないため、肩を上げづらくなります。
頭半棘筋

頭板状筋の下にある筋肉で、頭を後ろに反らせる働きがあります。
頭・頸板状筋

頭・頸板状筋は、頸椎(首の骨)の後ろ側にある筋肉で、頭半棘筋と同じく、頭を後ろに反らせたり、頭部を回旋させたりする作用があります。
首こりの主な原因
首は、約5~6kgの重さがある頭を支える、大切な部位です。通常、首の骨(頸椎)は緩やかなカーブを描きながら頭の重さを分散し、負担を和らげる働きをしています。しかし、このカーブが乱れると、首や肩周りの筋肉に余計な負担がかかるようになります。その状態が長く続くと、じわじわと負担が積み重なり、やがて首の筋肉や関節が限界に達し、痛みや不快感として現れてしまいます。
日常生活によって起こる首のこり
長時間同じ姿勢を続ける
デスクワークやスマホの操作などで首の角度が固定された状態が続くと、首や肩周りの筋肉が緊張し、血流が滞りやすくなります。本来、筋肉は適度に動かすことで血流が促され、疲労物質が排出される仕組みになっています。しかし、長時間同じ姿勢を続けることで筋肉がこわばり、疲労が蓄積しやすくなり、首のこりや重だるさを引き起こしてしまいます。
上を向いて作業する
天井の作業や高い位置にあるパソコン画面を見ることが多いと、首を反らせる姿勢が続き、首の後ろ側の筋肉に大きな負担がかかります。この状態が長時間続くと、筋肉が緊張して血流が悪くなり、こりや痛みにつながることがあります。特に、無意識のうちに頭が後ろに傾いたまま固定されると、首の筋肉だけでなく、肩や背中の負担にも影響が及びやすくなります。
首こりの痛みやだるさを軽減させる方法
首の痛みの主な原因は、頸椎のカーブが乱れることにあります。首の筋肉に対してストレッチやマッサージをすると、「気持ちいい」「楽になった」と感じることもありますが、あくまで一時的なものにすぎません。筋肉には体を支える役割があるため、無理に緊張をほぐしすぎると、かえってバランスが崩れ、症状が悪化することもあります。首の痛みを根本から解消するには、頸椎のカーブを整え、背骨全体のS字カーブを正しい位置に導くことが大切です。そのため、ストレッチやマッサージだけに頼らず、体全体のバランスを整える施術を受けることをおすすめします。